ウール毛布の使い方として、1枚で使用するのではなく、数枚の毛布を重ねて使用するうちの1枚という使い方をお勧めします。では、どのような種類のウール毛布を選べばいいでしょうか。
ウール100%、もしくはウールと別の素材を使用した混紡のものがあります。ウール100%のものを選ぶ場合は、メリノウールがおすすめです。メリノウールとは、メリノ種という羊の種類のことです。
例えばオーストラリアは世界で取引される羊毛のうち40%を占める羊毛輸出大国ですが、そのうちの40%がメリノウールです。羊毛の中でも最も細い、繊細さを持つ羊毛の種類です。
きっとメリノウールという言葉は、セーターなどのウールの洋服でもよく聞かれるでしょう。そのぐらい、メジャーな種類であると言えます。
そのほかよく聞かれるのは、タスマニアウール。これは、オーストラリアのタスマニア地方で取れるメリノウールということです。タスマニア産のメリノウールは、羊毛が細い品種が多いです。触って試して、好きなメリノウールを選んだほうが良いでしょう。
しかし触ったときに違いがわからず、メリノウールにするか、タスマニア産メリノウールにするかの二択で迷った場合は、タスマニアという単語にとらわれ過ぎず、好きなほうを選びましょう。
ウールはそのほか、ニュージーランド産や英国産のものがあります。 ニュージーランド産のメリノウールは、地球上でもっともウール繊維が長く、また強く白いと言われています。また、オーストラリアのメリノウールの細さが、平均21から22ミクロンであることに対して、ニュージーランド産は平均19ミクロンであり、より細いと言われています。また、出荷量もオーストラリア産より少ないため、希少性が高いです。
英国産ウールは、年間を通して寒い時期が長く、四季の寒暖差も少ないという土地の特徴から、他の産地よりも糸は太く、縮れて、しっかりしたものが多いです。糸が太くしっかりしていると、肌触りとしてチクチクすると感じる方が増えるので、英国産ウールの毛布はあまり多くありません。 混紡のものを選ぶ場合は、ウールとは別に、何が混ぜてあるかを確認しましょう。
おすすめはカシミヤなどの、天然素材です。カシミヤであればウールと同様の天然の特長を多く持つため、ウールという素材の良さを引き立ててくれるでしょう。しかし化学繊維と混紡の場合は、せっかくのウール素材の特長が引き立たないため、あまりおすすめしません。
暖かさは、ウール100%もしくはウールとカシミヤの混紡がおすすめです。逆に、ウールとアクリルなどの化学繊維の混紡は、化学繊維を使用することであたたかさが減ります。しかし化学繊維と混紡していると、ウール独特のチクチクした肌触りがなくなり、よりなめらかになっているものが多く、肌が敏感な方にも扱いやすいでしょう。
肌が敏感な方はメリノウールの、柔らかな毛布を選ぶようにしてください。ふわふわ、ソフトなどのうたい文句が使われている製品を選び、フェルト状のものはチクチクする場合もあるため避けましょう 。
ウール毛布は他の寝具と重ねて使うことをおすすめしています。選び方の基準としては、今使っている他の寝具と同じ大きさのものを選ぶことが無難でしょう。もし寝具の内側に重ねる場合は、他の寝具より少し小さめのサイズを選んでもいいかもしれません。
掛け布団を複数枚重ねた時に、内側の毛布が端から飛び出さないほうが美しいためです。ただし掛け布団類をすべて一から揃える場合は、サイズ感にこだわりましょう。
ベッドをお使いの方は、掛け布団と毛布はベッドより一回り大きなサイズ感のものを選ぶことをお勧めします。例えばセミダブルベッドに対して、ダブルサイズを選ぶと、ベッドの四辺にしっかり被さるサイズ感になるため、掛け布団と毛布の中に外気が入ってこず、冬は暖かに眠ることができます。
ベッドや寝具の写真で、ベッドの上にゆったりと掛け布団と毛布が被さっているようなものは、ほとんどがベッドよりも大きなサイズのものを選んでかけている場合です。
敷布団を床に敷いている方は、敷布団と同じサイズ感のほうが、敷布団からはみ出すことがなく、掛け布団の四辺が床に擦れたりして汚れたりすることもなく、きれいに使えます。ただしベッドの場合も敷布団の場合も、同じ布団に数人で眠るようなシチュエーションの場合は、掛け布団と毛布は大きいほうが良いです。布団を奪い合って、端の誰かが布団の長さが足りずに寒い思いをする、ということも起こりません。サイズは、熟考して、こだわりましょう。
毛布のサイズ感は各社様々なものがありますが、シングルサイズとして140センチ×200センチ、ダブルサイズとして180センチ×200センチのものが多いでしょう。そのほか、ロングサイズと称して幅や丈が10センチから20センチずつ程度長いものもあります。
色や柄は、こだわりがない方はこだわらず、価格にこだわってもいいと思います。
ニュージーランド産のメリノウールやカシミヤと混紡のものは、元のウールが白っぽくやわらかな色合いのものが多いため、漂白剤などを使用せずウールの元の色のまま白い場合が多いです。 ウールそのままの色は、白から茶色、茶色からさらに濃いブラウンのような色です。ウールそのままの色のもの、漂泊して白くしたもの、もしくは染色してカラフルな色合いにしたもののどれを選んでも、暖かさには大きな差は出ません。
漂白剤を使っている・染料を使っているからと言って体に被害があるというものでもありません。色柄は、自分の好みのものを選んでください。
毛布は掛け布団の上に掛けて使うと決めている方は、色や柄にこだわって選んだほうがいいかもしれません。ベッドで使用する寝具の色は、思っているよりも部屋で目立ちます。明るい印象には白などの明るい色、落ち着いた印象には茶色や黒っぽい暗めな色を選ぶといいでしょう。
ウール毛布の選び方 まとめ
・ ウール毛布の種類はウール100%、ウールとカシミアを組み合わせた毛布がおすすめ!
・ ウール毛布のサイズは掛け布団と同じサイズを選ぼう!
・ ウール毛布の色や柄で暖かさは変わらない!